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慢性腎臓病とは

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが徐々に低下していく病気です。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する重要な臓器ですが、その機能が3か月以上にわたって低下した状態を指します。
日本では成人の約8人に1人が慢性腎臓病と推定されており、新たな国民病とも呼ばれています。初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断で初めて発見されることが多い病気です。早期発見と適切な治療により、進行を遅らせることが可能です。
慢性腎臓病の原因
主な原因疾患
慢性腎臓病の原因として最も多いのは、糖尿病による糖尿病性腎症です。次いで高血圧による腎硬化症、慢性糸球体腎炎などが続きます。
生活習慣病が腎臓に与える影響は大きく、血糖値や血圧のコントロールが不十分な場合、腎臓の細い血管が傷つき、機能が低下していきます。
危険因子
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病
- 肥満やメタボリックシンドローム
- 喫煙習慣
- 過度の飲酒
- 腎臓病の家族歴
- 高齢(65歳以上) など
当院の慢性腎臓病診療の特徴
生活習慣病との総合管理
慢性腎臓病は糖尿病や高血圧などの生活習慣病と密接に関連しています。当院では、これらの生活習慣病を総合的に管理し、腎機能の保護に努めます。
継続的な診療体制
外来診療から訪問診療まで、継続して診療を行います。腎機能が低下して通院が困難になった場合でも、訪問診療で在宅での管理を継続できます。
慢性腎臓病の症状と進行
初期症状
初期にはほとんど自覚症状がありません。健康診断での尿検査異常(たんぱく尿や血尿)や、血液検査での腎機能低下で発見されることがほとんどです。
進行した場合の症状
- むくみ(特に足や顔)
- 疲れやすさ、だるさ
- 食欲不振
- 吐き気
- 息切れ
- 貧血症状 など
末期腎不全
腎機能が正常の15%未満になると末期腎不全となり、透析療法や腎移植が必要になります。
慢性腎臓病の治療
原因疾患の治療
糖尿病や高血圧が原因の場合は、血糖値や血圧の厳格な管理が重要です。適切な薬物療法により、腎機能の悪化を遅らせることが可能です。
食事療法
塩分の制限に加えて、病期に応じて、タンパク質やカリウム、リンの制限も行います。管理栄養士と連携し、個々の状態に応じた食事指導を行います。
薬物療法
腎臓を保護する薬や、合併症を予防する薬を使用します。貧血に対する造血剤、骨代謝異常に対するビタミンD製剤など、病状に応じた治療を行います。
生活習慣の改善
禁煙、適正体重の維持、適度な運動が腎機能の保護につながります。過労やストレスを避け、規則正しい生活を心がけることも大切です。